年の差フレンドのホンネ体験談

子供が独立してポッカリ空いた心に 年の差友人がくれた彩り

Tags: 年の差友情, 子離れ, 新しい出会い, 人生の彩り, 体験談

子供たちの独立と、心にぽっかり空いた空間

長年、子育てや仕事に追われる日々を過ごしてまいりました。時間に追われ、自分のことは後回し、という生活が当たり前でした。それが、上の子が巣立ち、下の子も社会人になって家を出て行った時、それまで経験したことのない、言いようのない寂しさを感じました。

広い家に一人、ポッカリと空いた空間が、そのまま自分の心の中にも広がっているかのようでした。もちろん、子供たちの自立は喜ばしいことですし、これからは自分のために時間を使えるのだ、という解放感もありました。しかし、長年生活の中心だった子供たちが物理的にいなくなったことで、急に時間ができるというのは、想像以上に戸惑うことでした。

友人たちと会ったり、趣味に時間を使ったりもしましたが、どこか物足りなさを感じていたのです。新しい人間関係、特に若い世代との交流があれば、何か新しい刺激があるのではないか、という思いは漠然とありました。しかし、どこで、どのようにして、そんな交流が生まれるのか、具体的な方法が分からず、一歩踏み出せないままでおりました。

そんな時、私の人生に彩りを与えてくれたのが、年の差の友人との出会いだったのです。

地域のボランティア活動で始まった年の差の繋がり

その出会いは、本当に些細なきっかけでした。自宅の近所で始まった、高齢者向けのスマートフォンの使い方のサポートをする地域のボランティア活動に参加した時のことです。私は教える側として参加したのですが、そこに補助員として来ていたのが、当時20代だった真由美さん(仮名)でした。

初めて会った時、真由美さんは少し緊張している様子でしたが、参加者の方々にはとても丁寧に接していました。私は少し離れた席で、自分の担当の方に操作方法を教えていましたが、休憩時間になり、何気なく真由美さんに「大変ですね」と声をかけたのが始まりでした。

彼女ははにかみながら、「少し難しくて戸惑いますが、皆さんが一生懸命取り組んでいらっしゃる姿を見ると、私も頑張ろうと思います」と話してくれました。その真摯な言葉に、私は心を打たれました。ボランティアの活動内容についていくつか質問をしたり、私が普段感じていることなどを少しお話ししたりするうちに、自然と会話が弾みました。

その後も、ボランティア活動で顔を合わせるたびに、短い時間でも話をするようになりました。真由美さんは、私の話にいつも興味深そうに耳を傾けてくれ、若い感性で素直な感想を話してくれました。私は、孫のような年齢の彼女と、こんなにも自然に話ができることに驚きを感じていました。

年齢差を超えて深まった関係性

ボランティア活動が終わった後も、私たちは連絡先を交換し、個人的に会うようになりました。最初は、お互いの近況報告や、最近あった出来事などを話す程度でした。しかし、何度かお会いするうちに、お互いの内面に触れるような話もするようになっていきました。

私は、子供たちが独立してからの寂しさや、今後の人生について漠然と抱いている不安などを、真由美さんに話してみました。同世代の友人には話しにくいと感じていたことも、年齢が離れている彼女だからこそ、かえって気兼ねなく話せることがありました。彼女は、私の話を否定することなく、ただ静かに聞いてくれました。そして、「お母さんの世代の方は、皆さん頑張ってこられたんですよね。これからは、自分のために好きなことをして良い時期だと思いますよ」と、優しい言葉をかけてくれたのです。その言葉は、子供のいない真由美さんだからこそ、純粋に私の状況を受け止めてくれたのだと感じられ、私の心を温かく包み込んでくれました。

一方、真由美さんは、仕事での人間関係の悩みや、将来に対する漠然とした不安などを話してくれました。私は、人生の先輩として、これまでの経験から感じたことや、困難な時にどう乗り越えてきたかなどを話しました。もちろん、私の経験がそのまま彼女の役に立つわけではないかもしれません。しかし、彼女は「〇〇さんの話を聞いていると、なんだか大丈夫な気がしてきます」と言ってくれました。世代は違えど、人生には共通する悩みや乗り越えるべき壁があることを改めて感じました。

真由美さんと話していると、私はつい自分の年齢を忘れてしまいます。流行りの音楽やテレビ番組の話を聞いたり、彼女が勧めてくれたカフェに行ってみたり。新しい価値観や世界に触れることで、私の視野は自然と広がっていきました。そして何より、彼女と一緒に笑ったり、真剣な話をしたりする時間が、子供たちが独立してポッカリと空いてしまった私の心を満たし、人生に新しい彩りを与えてくれたのです。

年齢を気にせず、心を開いてみること

真由美さんとの出会いを通して、私は年齢差というのは、新しい人間関係を築く上での障壁にはならないのだと実感いたしました。むしろ、年齢が離れているからこそ、偏見なくお互いの話を聞くことができたり、自分にはない考え方や経験から多くの学びを得られたりするのだと感じています。

以前の私は、「若い人は私なんかと話しても面白くないだろう」「何を話せば良いのか分からない」と考えて、若い世代との交流を躊躇していました。しかし、真由美さんのように、人生の先輩の話を聞きたいと思っている若い方もいらっしゃいますし、こちらから心を開けば、年齢に関係なく分かり合える瞬間があることを知りました。

もし、私と同じように、子供たちが独立して時間ができたものの、どこか寂しさを感じていたり、新しい人間関係、特に若い世代との交流に興味があるけれど一歩踏み出せずにいたりする方がいらっしゃるならば、どうか年齢を気にしすぎないで、身近なところに目を向けてみていただきたいと思います。

地域の集まり、習い事、ボランティア活動、あるいは昔の知り合いとの再会かもしれません。ほんの些細なきっかけから、年の差の友情は始まることがあります。そして、年の差の友人ができるということは、あなたの人生にきっと、新しい風と、温かい彩りをもたらしてくれるはずです。

人生いくつになっても、新しい出会いや学びは私たちを豊かにしてくれます。年齢を気にせず、心を開いて、新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。