年の差フレンドのホンネ体験談

「時間がありすぎる」私に「時間がない」彼女がくれた気づき 年の差友情エピソード

Tags: 年の差友情, 時間の使い方, 価値観, 交流, 体験談

子供独立、増えた時間。そして出会った年の差の友人

子供たちが独立し、夫も定年を迎えて家にいる時間が増えました。最初は解放感があったものの、そのうち「時間がありすぎる」ことに漠然とした不安を感じるようになったのです。テレビを見たり、家事をしたり、散歩に出かけたり。どれも悪くはないのですが、何かが物足りない。特に平日の昼間、周りの同世代の友人たちは孫の世話や趣味の活動で忙しそうにしているのに、私はというと、ただ時間が過ぎるのを待っているような感覚でした。

そんな時に出会ったのが、30代の友人、由紀さんです。地域の図書館でボランティア活動に参加したのがきっかけでした。私は本の整理や貸し出し補助、由紀さんは子供向けのお話会を担当されていました。最初は挨拶を交わす程度でしたが、活動後に少しお話しするようになり、お互いの名前を知るようになりました。

忙しい彼女と時間がある私、見えない違い

由紀さんは、仕事と小さなお子さんの育児を両立させている世代です。ボランティア活動に参加するのも、わずかな隙間時間をやりくりしてのことだと知りました。いつもテキパキと動き、休憩時間もスマホで連絡を取ったり、慌ただしく過ごしている様子が印象的でした。

一方の私は、文字通り「時間がありすぎる」状態です。ボランティアのない日も、特に決まった予定はありません。朝起きてから夜寝るまで、自分のペースで一日を過ごすことができます。

由紀さんと少しずつ親しくなるにつれて、お互いの時間の使い方の違いが自然と話題に上るようになりました。

「〇〇さん(私のこと)は、時間に追われることがなくていいですね。私はいつも締め切りとか、子供のお迎えとか、時間に追われています」と由紀さんがため息交じりに話したことがあります。

私は、「あら、でも忙しいのは若さの証拠よ。私なんて、時間だけはたっぷりあるけれど、どう使っていいか分からないくらいなの」と笑って答えました。

時間の価値観の違いから生まれた気づき

ある日、由紀さんが「少し相談に乗っていただきたいことがあるのですが、お時間をいただけますか?」と連絡をくれました。もちろん、私はいつでも時間はあります。喫茶店で会う約束をしました。

由紀さんの相談は、仕事と育児のバランス、そして将来に対する漠然とした不安についてでした。一生懸命に話す由紀さんの姿を見て、私は自分の若い頃を思い出しました。私も同じように悩み、時間に追われる日々を送っていた時期がありました。

その時、由紀さんがふとこう言ったのです。 「〇〇さんは、今の時間をどう過ごしたいですか?時間に余裕があるって、すごく素敵なことだと思うんです。私にはまだ、自分だけの時間を持つ余裕がほとんどなくて」

この一言が、私にはとても新鮮に響きました。「時間がありすぎる」ことに価値を見出せず、むしろ持て余している自分。一方、由紀さんはその「時間」を何よりも価値あるものだと感じている。この対比が、私の考え方を大きく変えるきっかけとなりました。

私は、由紀さんの話を聞きながら、「自分に時間がある」ということは、決して退屈なことではなく、むしろ「自分のために使える自由な時間がたくさんある」ということなのだと気づかされたのです。由紀さんが限られた時間の中で一生懸命に生きている姿は、時間に余裕があるからこそできること(新しい学び、趣味、ボランティアなど)にもっと積極的に目を向けてみよう、という気持ちにさせてくれました。

お互いの時間を尊重し合う年の差友情

由紀さんと私は、それからも時々会ってお話しするようになりました。以前のように「いつでも空いていますよ」というスタンスではなく、由紀さんの忙しさを理解し、「〇〇日のお昼休み、少しだけお話しできますか?」とか、「子供が寝た後、メッセージのやり取りでもいいですか?」といった由紀さんの提案に合わせて時間を調整するように心がけました。

また、由紀さんが「〇〇さんの時間の余裕が羨ましい」と言うたび、私は「由紀さんのように、限られた時間の中で多くのことを成し遂げているのを見ていると、私ももっと時間を大切に使わなきゃと思うわ」と伝えるようになりました。

お互いの時間の価値観を理解し、尊重し合うことで、私たちの友情は深まっていったように感じます。由紀さんとの交流は、私にとって単に若い世代の考えを知るだけでなく、自分自身の「時間」というものに対する見方、そして人生に対する向き合い方を見直す貴重な機会を与えてくれたのです。

年齢を気にせず、新しい交流へ一歩を

「時間がありすぎる」という私の状況は、決してネガティブなものではなく、「自分に与えられた豊かな時間」なのだと、由紀さんとの年の差友情を通して気づくことができました。若い世代の忙しさや時間の使い方に触れることで、私は自分の時間をより意識的に、大切に使うようになりました。

新しい人間関係に踏み出すのは、年齢を重ねるほどに勇気がいるものかもしれません。特に若い世代との交流は、価値観や時間の使い方の違いに戸惑うこともあるでしょう。しかし、お互いの違いを理解し、尊重し合うことで、そこからは思いがけない学びや気づきが得られます。

もし今、あなたが「時間がありすぎる」と感じていたり、新しい交流に一歩踏み出せずにいたりするのなら、年齢を気にせず、目の前の人との会話を楽しんでみてください。年の差のある友人との交流は、あなたの人生にきっと新しい彩りと、大切な気づきをもたらしてくれるはずです。