年の差フレンドのホンネ体験談

家族じゃない、でも温かい場所 年の差の友人がくれた安心感

Tags: 年の差友情, 安心感, 居場所, 悩み相談, コミュニケーション

子供が巣立ってからの「ぽっかり」と、誰かに話したかったこと

子供たちがそれぞれ独立し、夫との生活もずいぶん落ち着きました。長年、子育てや仕事に追われる日々を過ごしてきましたので、ようやく自分の時間ができたという解放感がある一方で、何か心にぽっかりと穴が開いたような寂しさも感じるようになりました。

夫とは特に不仲というわけではありませんが、日常の会話は減り、お互いのことよりも孫の話をする時間が増えました。それはそれで幸せなことなのですが、若い頃のように何でも本音で話し合える関係かというと、少し違うように感じていました。

友人もいますが、同年代の友人には心配をかけたくないという気持ちや、「みんな同じようなものよ」と慰められるだけになりそうで、心の中のちょっとしたモヤモヤや、将来への漠然とした不安などを、なかなか打ち明けられずにいたのです。

年齢を越えて心を通わせた予期せぬ出会い

そんな時、地域のボランティア活動に参加したことがきっかけで、年の離れた友人、優香さんと出会いました。彼女はまだ20代で、私の娘よりもずっと若い世代です。最初は「お母様世代の方」という印象だったと思いますが、何度か一緒に活動するうちに、飾らない人柄と、物事に対する真剣な姿勢に惹かれ、自然と会話が増えていきました。

ある日、活動終わりに二人でお茶をすることになったのです。他愛もない話から始まり、仕事の話、家族の話へと移っていきました。優香さんも、若いながらに仕事や将来について様々な悩みを抱えているようでした。

彼女の真剣なまなざしを見ているうちに、私はふと、心の中にしまっていた悩みを口にしたくなりました。「最近、なんだか漠然と不安になることがあるの。子供たちも巣立って、夫と二人きりになって、この先どう過ごしていけばいいのかしら、とか…」。自分でも驚くほど、素直に言葉が出てきました。

家族には言えなかった本音を、年の差の友人が聞いてくれた

優香さんは、私の話を遮ることなく、ただじっと聞いてくれました。「そうだったんですね。〇〇さん(私の名前)が、そういう風に感じていらっしゃったなんて、気づきませんでした」と、静かに相槌を打ってくれたのです。

私はさらに、家族には言いにくいと感じていた、体調の小さな変化への不安や、友人関係のちょっとした悩み、そして「もう一度何か新しいことに挑戦したいけれど、何から始めて良いか分からない」という焦りのような気持ちも話しました。

優香さんは、私の話を聞きながら、自分の言葉で誠実に答えてくれました。「私も、将来のこととか、人間関係のこととか、漠然と不安になること、ありますよ。でも、〇〇さんがそうやって立ち止まって、これからを考えていらっしゃるって、すごく素敵なことだと思います」と、まっすぐに言ってくれたのです。

家族や同年代の友人とは違い、優香さんは私の過去や現在の状況について、ある種の新鮮な視点を持って話を聞いてくれました。私の悩みに対して、すぐに解決策を提示するのではなく、「そう感じるんですね」「それは大変でしたね」と、まずは感情に寄り添ってくれたことが、何よりも私の心を軽くしてくれました。

年齢を気にしない繋がりがくれた「安心感」という居場所

年齢が離れているからこそ、お互いの立場や状況をフラットに見ることができたのかもしれません。私は優香さんの話から、若い世代が抱える悩みや希望を知り、私自身の若い頃と重ね合わせることで、新たな気づきを得ることができました。そして、優香さんは、私が長年経験してきたことの中に、彼女自身の未来へのヒントを見出してくれたようです。

あの時、優香さんに心の内を話すことができたのは、彼女が年齢や立場に関係なく、一人の人間として私の話に耳を傾けてくれたからです。家族だから、友達だから、という固定観念を超えて、「この人なら話せるかもしれない」という安心感を、彼女が自然と与えてくれたのだと思います。

家族に心配をかけたくない悩みや、同年代には言いにくい本音を打ち明けられる年の差の友人。それは、私にとって、家族とは違う、温かい「居場所」となりました。年齢を気にせず、ありのままの自分でいられる関係は、私の毎日に新しい光と安心感を与えてくれています。もし、あなたが今、誰かに話したいけれど、なかなか踏み出せない悩みや寂しさを抱えているとしたら、年齢を気にせず、心を開いて話せる「誰か」が、案外あなたの近くにいるかもしれません。