年の差フレンドのホンネ体験談

孫と話して見つけた、年の差を気にしないコミュニケーションのヒント

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孫との会話から始まった気づき

子供たちが独立し、夫婦二人の生活に時間的なゆとりができてきました。孫が遊びに来てくれる機会が増え、嬉しい半面、最初は少し戸惑いもありました。私が子育てをしていた頃とは世の中も変わっていますし、孫の使う言葉や興味を持つものが、正直よく分からないことも多かったのです。

新しい人間関係、特に若い世代との交流にも関心はありましたが、「何を話したら良いのだろう」「私の話なんて面白くないのでは」といった不安が拭えずにいました。年の離れた友人がいる方の話を聞くと羨ましく思いましたが、自分から一歩踏み出す勇気が出ませんでした。

そんな時、一番身近な「若い世代」である孫との日々の関わりの中で、年の差を気にしないコミュニケーションのヒントが見つかることに気づいたのです。今回は、孫との会話を通して私が学んだこと、それがどのように他の若い世代との交流にも活かせると感じたのかをお話ししたいと思います。

「それ何?」素直に聞く勇気

孫がスマートフォンで動画を見ている時や、友達とのメッセージで独特な言い回しを使っている時、最初は「今の若い子は何を見ているのだろう」「どうしてそんな言葉を使うのだろう」と、少し距離を感じていました。しかし、ある時思い切って孫に「ねえ、〇〇(孫の名前)、今見ている動画、どんな内容なの?面白いの?」と聞いてみたのです。

すると孫は、驚いた様子もなく、むしろ少し得意げに動画の内容や、なぜそれが面白いのかを説明してくれました。私が知っていると思っていたこととは全く違う流行や文化があることを知り、新鮮な驚きがありました。その時に感じたのは、「分からないことを素直に聞くことは、恥ずかしいことではない」ということです。知ったかぶりをせず、「それ何?」と尋ねることで、相手は喜んで教えてくれ、そこから会話が弾むことを知りました。

これは、年の差の友人との間でも同じだと感じました。相手が話すことの中で知らないことがあっても、「つまらないと思われたらどうしよう」とためらうのではなく、「教えてほしい」という気持ちを素直に伝えることが、お互いの世界を広げるきっかけになるのだと学びました。

違いを「面白いね」と受け止める

孫と話していると、私たちが育ってきた時代とは価値観や考え方が大きく違うと感じることが多々あります。例えば、お金の使い方や仕事に対する考え方、人間関係の築き方など、世代間のギャップを感じる瞬間は少なくありません。

以前なら、自分の経験や常識と違う意見を聞くと、つい「私たちの頃はね…」と自分の話を始めてしまったり、「それは違うんじゃないかしら」と否定的な気持ちになったりすることもありました。しかし、孫が一生懸命自分の考えを話しているのを聞いて、「そうか、今はそういう考え方があるんだな」「私とは違うけれど、孫にとってはそれが当たり前なんだな」と、一度立ち止まって受け止めることを意識するようになりました。

「面白い考え方だね」「そういう風に考えるのね」と、違いを否定するのではなく、一つの新しい視点として捉えるように努めました。すると、孫も話しやすくなったようで、さらに色々な話をしてくれるようになりました。相手の意見を頭ごなしに否定せず、「面白いね」「なるほどね」と一旦受け止める姿勢が、安心して話せる関係を作る上でとても大切だと気づきました。これは、まさに年の差の友人との信頼関係を築く上で不可欠なことだと感じています。

一方的なアドバイスではなく、耳を傾けることから

孫が学校生活や友達関係で悩んでいる様子を見せることもあります。子育て経験がある私は、つい「ああ言えば良いのに」「こうした方が上手くいくわよ」と、自分の経験に基づいたアドバイスをしたくなります。しかし、孫の様子を見ていると、必ずしも解決策がほしいのではなく、ただ誰かに話を聞いてほしいだけ、という時もあるようです。

そこで、まずはじっくりと孫の話を聞くことに徹しました。「うんうん」「そうだったのね」と相槌を打ちながら、感情に寄り添うように話を聞いていると、孫は自分で考えを整理したり、気持ちを落ち着かせたりしているように見えました。もちろん、求められれば私の経験を話すこともありますが、それはあくまで「こんな考え方もあるよ」「私はこういう時、こう感じたかな」という形で、押し付けにならないように気をつけています。

年の差の友人との関係でも、相手が若いからといって一方的に自分の経験を語ったり、上から目線でアドバイスをしたりするのは避けたいと感じています。相手には相手なりの考えや経験があります。まずは真摯に耳を傾け、共感しようとする姿勢が、年の差を超えた対等な関係を築く上での第一歩なのだと、孫が教えてくれました。

身近な交流から広がる新しい世界

孫との日々のささやかな交流を通して、私は若い世代とのコミュニケーションに対する苦手意識が少しずつ和らいできたように感じています。「分からないことを素直に聞く」「違いを面白がって受け止める」「まずは耳を傾ける」という、ごく基本的なことですが、これらは年の差を気にせず、心を開いて話すためにとても大切なことだと気づきました。

年の差のある友人との出会いは、もしかしたら身近な場所に隠れているのかもしれません。孫との会話を楽しむように、目の前にいる若い世代の人に少し関心を持ってみたり、「それ何?」と尋ねてみたりすることから、新しい交流が始まる可能性があるのだと感じています。

年齢や世代の違いを恐れず、お互いを尊重し、歩み寄ろうとする気持ちがあれば、きっと素敵な年の差の友情を育むことができるはずです。孫との交流がくれたこの気づきが、新しい関係に一歩踏み出したいと思っている方々の、ささやかなヒントになれば嬉しく思います。