年の差フレンドのホンネ体験談

「何それ?」若い友人の言葉に戸惑い、世界が広がった体験談

Tags: 年の差フレンド, 体験談, 世代間交流, 学び, コミュニケーション, 新しい世界

子供が独立して生まれた、新しい時間と少しの戸惑い

子供たちがそれぞれ独立し、夫婦二人の生活にも慣れてきた頃、ふと、自分の時間にぽっかりと穴が空いたように感じる日が増えました。子育てに追われる日々にはなかった、穏やかで自由な時間。それは喜ばしいことなのですが、同時に「この時間をどう過ごそうか」という、少しの戸惑いもありました。

趣味のサークルに参加してみたり、地域のボランティア活動に顔を出してみたり。そうした中で、私よりずっと若い世代の方々と接する機会が少しずつ増えてきたのです。

新しい出会いは嬉しいものですが、年の離れた方とどのように接したら良いのか、話題は合うのだろうか、失礼なことはないだろうか、といった不安も正直ありました。特に、スマートフォン一つとっても、私には理解できないような機能を当たり前のように使いこなす若い世代の方々を見ると、自分はもう古い人間になってしまったのだろうか、と少し寂しい気持ちになることもございました。

そんな私が、あるきっかけから、年の差のある大切な友人を持つことになり、その方との交流を通じて、自分の知らなかった新しい世界を知ることになった体験をお話しさせてください。

ボランティア活動で出会った、歳の離れた友人「ユカさん」

私が今、とても良い友人としてお付き合いさせていただいているのは、地域の図書館で行っているボランティア活動で知り合ったユカさんです。彼女は30代で、私とは親子ほども歳が離れています。

初めて会った時、私は「若いのに熱心な方だな」という印象を持ったのですが、活動を通じて話す機会が増えるにつれて、その明るく素直な人柄に惹かれていきました。最初は敬語でかしこまった話し方しかできませんでしたが、ユカさんがいつも自然体で話しかけてくださるおかげで、少しずつ私も肩の力を抜いて話せるようになっていったのです。

活動中だけでなく、休憩時間にお茶を飲んだり、活動後に少し立ち話をする中で、お互いのことや日常の出来事を話すようになりました。ユカさんは私の昔の話を興味深そうに聞いてくださり、私もユカさんの仕事の話や、周りの若い方たちの話を聞くのが楽しくなっていきました。

「何それ?」会話の中で飛び出す、聞き慣れない言葉

ユカさんと話していると、時々、私の知らない言葉が出てくることがありました。例えば、ある出来事について話していた時に、ユカさんが「それ、エモいですね!」とおっしゃったのです。

「エモい?」

私は思わず聞き返してしまいました。私の辞書にはない言葉です。

ユカさんはすぐに「あ、すみません!『エモい』っていうのは、感情的になったり、心に響いたりする様子を表す若い人たちの言葉なんです。懐かしい感じとか、感動した時とか、色々な場面で使うんですよ。」と、分かりやすく説明してくださいました。

また別の時には、「それな、です!」と強く同意してくれたり、大変だった出来事を話した時に「それは詰みましたね…」とおっしゃったり。最初は戸惑うばかりで、「今の、どういう意味かしら?」と心の中で首を傾げることも少なくありませんでした。

ですが、ユカさんは決して私を馬鹿にしたり、「そんなことも知らないんですか?」というような態度を取ることはありませんでした。私が「それ、どういう意味?」と尋ねると、いつも笑顔で丁寧に教えてくださるのです。その度に、なんだか新しい知識が増えたような、不思議な喜びを感じました。

言葉の先に見えた、若い世代の価値観と新しい世界

言葉だけでなく、ユカさんから教えてもらう若い世代のことにも、最初は驚きや戸惑いがありました。

例えば、スマートフォンで動画を見るのが当たり前だとか、SNSで自分の日常を発信したり、他の方と交流したりしていること。私にはあまり馴染みがなく、少し難しそうに感じていました。

ある時、ユカさんが「これ、面白いですよ」と、ある動画を見せてくれました。最初は「こんなものを見るんだ」と思ったのですが、見てみると、今まで知らなかった世界の出来事や、若い方たちの感性に触れることができ、とても新鮮でした。「こんな楽しみ方があるんだ」と目から鱗が落ちる思いでした。

また、ある話題について話している時に、私とは全く違う視点から意見を述べられたこともありました。最初は「え、そう考えるの?」と少し戸惑いましたが、ユカさんがなぜそう考えるのかを丁寧に話してくれたことで、彼女の価値観や、若い世代が社会をどのように見ているのかを知ることができたのです。それは、私がこれまでの人生で培ってきた常識とは違うものかもしれませんが、どちらが正しい、間違っている、という話ではなく、ただ「そういう考え方もあるのだな」と素直に受け止めることができました。

年齢差は壁ではなく、新しい扉だった

ユカさんとの交流を通じて、私はたくさんの新しい言葉や考え方、そして世界を知ることができました。最初は年齢差を壁のように感じていましたが、それは壁ではなく、私に新しい世界を見せてくれる扉だったのだと、今では強く感じています。

聞き慣れない言葉が出てきた時に、恥ずかしがらずに「何それ?」と素直に尋ねる勇気を持てたこと、そして、ユカさんがそれを優しく受け止めてくれたこと。その一つ一つのやり取りが、私たちの関係をより深く、豊かなものにしてくれたのだと思います。

若い世代の方々と話すことは、自分の知っている世界が全てではないことを教えてくれます。凝り固まっていた考えが柔らかくなり、物事を多角的に見られるようになったように感じます。そして何より、新しいことを知る、学ぶということの楽しさを、改めて教えてもらったのです。

年齢を気にせず、心を開いてみませんか

子供が独立して時間ができた今、新しい人間関係を築いてみたいけれど、若い世代の方々とどう接して良いか分からない、と感じていらっしゃる方も少なくないかもしれません。

私の体験から言えることは、年齢差を気にしすぎず、まずは相手に興味を持ち、心を開いて話してみることの大切さです。分からないことがあれば素直に尋ねてみても良いのです。きっと、相手の方も、あなたの経験や考えに興味を持ってくれるはずです。

年の差のある友人との交流は、時にジェネレーションギャップを感じることもあるかもしれません。しかし、それはお互いを理解し、新しい世界を知るチャンスでもあります。違いを面白がり、楽しむ視点を持ってみてください。

小さな一歩を踏み出すことで、あなたの日常にもきっと、新しい彩りが生まれるはずです。年齢を気にせず、多様な人々との交流を楽しんでみませんか。そこには、きっと素晴らしい出会いと、かけがえのない学びが待っています。