年の差フレンドのホンネ体験談

年の差友人の何気ない一言が私の背中を押してくれた話

Tags: 年の差友情, 若い友人, 交流, 勇気, 体験談, 人間関係, 学び

年を重ねるごとに増える、新しい一歩への躊躇い

人生の節目を迎え、子供たちも巣立ち、自分の時間が増えた今、何か新しいことに挑戦したいという気持ちが芽生えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、「もうこの歳になってから」「今さら始めても」といった思いが頭をよぎり、なかなか最初の一歩が踏み出せないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に、自分とは違う世代、例えば若い方々との交流の場に飛び込むことには、少し戸惑いを感じることもあるかと思います。

私自身もそうでした。昔から興味があったものの、始めるきっかけを掴めずにいたことがあります。年齢を重ねるにつれて、新しい環境に馴染めるだろうか、若い方々の中に一人入っていくのは気後れするのではないか、そんな不安ばかりが募り、行動に移せずにいたのです。

しかし、そんな私の背中を、思いがけない形で押してくれた人がいます。それは、私よりずっと若い、一回り以上年の離れた友人でした。今回は、その友人との出会いと、彼女の何気ない一言が私にくれた勇気についてお話ししたいと思います。

共通の「好き」が繋いだ年の差の絆

その友人、仮にAさんとしましょう。Aさんと私は、地域の生涯学習センターで始まったある趣味の講座で知り合いました。私は何か新しいことを始めたいと思い参加したのですが、集まっているのは私よりも随分と若い世代の方が中心でした。最初はやはり気後れし、他の参加者の方と積極的に話すこともできませんでした。

そんな中、Aさんはとても自然体で、誰に対しても隔てなく接する方でした。講座の内容について質問したり、感想を言い合ったりするうちに、Aさんと私は自然と会話をするようになりました。驚いたのは、年齢は離れていても、共通の「好き」や興味があることが意外と多くあったことです。同じ話題で盛り上がったり、お互いの知らない世界について話したりする時間は、私にとってとても新鮮で心地良いものでした。

Aさんは私の年齢を全く気にする様子もなく、いつも一人の人間として向き合ってくれました。最初は敬語で話していた私も、次第に少しずつ打ち解け、講座が終わった後にお茶をご一緒するような関係になっていったのです。

心に引っかかっていた「あのこと」

Aさんと個人的に話す機会が増えるにつれて、私はずっと心の中で温めていたけれど、踏み出せずにいた「あること」について、彼女に話してみようかという気持ちになりました。それは、以前からずっと興味があり、いつかやってみたいと思っていた、少し専門的な分野の学びについてです。

「実はね、以前からずっと〇〇という勉強をしてみたくて。でも、今から始めても遅いんじゃないかとか、難しそうでついていけないんじゃないかとか、色々考えてしまって、なかなか始められないでいるのよ」

カフェでコーヒーを飲みながら、私はAさんにそう打ち明けました。自分の年齢や、新しいことへの不安を素直に話すのは、少し恥ずかしい気持ちもありましたが、Aさんは真剣な表情で私の話を聞いてくれました。

年の差友人がくれた、たった一つの言葉

私の話を全て聞き終えたAさんは、少し考えてから、にっこり微笑んでこう言ってくれたのです。

「そうなんですね。でも、〇〇さんがやってみたいって思っている、その気持ちが一番大切なんじゃないですか? やってみたいと思った時が、一番良いタイミングだと思いますよ。」

そして、こう付け加えてくれました。

「それに、〇〇さんなら、きっと楽しめますよ。」

その言葉は、まるで私の心の中に降り積もっていた、固く冷たい雪を溶かすような温かさを持っていました。「今からでも遅くない」「難しそう」といった私の頭の中の「できない理由」ではなく、「やってみたい気持ち」に焦点を当ててくれたこと。そして、「楽しめますよ」と、私の可能性を信じてくれたこと。

自分よりずっと若いAさんの、飾り気のない、心からの言葉が、私の凝り固まっていた心を柔らかく解きほぐしてくれたように感じました。年齢を気にしていたのは自分だけだったのかもしれない、やってみたいという純粋な気持ちに従っても良いのだ、そう思えたのです。

一歩踏み出した先にあった新しい世界

Aさんの言葉に勇気をもらい、私はずっと迷っていたその学びを始めることにしました。最初はやはり戸惑うこともありましたが、始めてみると、想像していた以上に面白く、新しい発見の連続でした。何よりも、新しい世界に飛び込んだこと、そして自分自身の一歩を踏み出せたことに対する、満たされた気持ちや達成感を感じることができました。

もしあの時、Aさんがあの言葉をかけてくれなかったら、私はきっと今でも迷ったまま、何も始めていなかったかもしれません。年齢を理由に、自分の可能性を閉ざしてしまっていたかもしれません。

年の差を越えた友情が教えてくれること

年の差のある友人との交流は、私たちに多くの気づきを与えてくれます。若い世代の率直な考え方や、凝り固まっていない自由な発想に触れることは、自分の世界を広げることに繋がります。そして、年齢や経験に関係なく、人は互いに支え合い、勇気を与え合えるのだということを、改めて教えてくれます。

新しい人間関係、特に若い世代との交流に一歩踏み出すことに躊躇いを感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、共通の趣味や関心事、あるいはふとした日常のきっかけから始まる年の差の友情は、私たちの人生に新しい光と勇気をもたらしてくれることがあります。

年齢を気にせず、心を開いて交流してみることで、きっと素敵な出会いや、あなたの背中をそっと押してくれる、心温まる言葉に出会えるはずです。あなたの「やってみたい」という気持ちを大切に、新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。