年の差フレンドのホンネ体験談

スマホが苦手な私に若い友人がくれたもの 年の差助け合い体験談

Tags: 年の差フレンド, 助け合い, 友情, シニアライフ, 人間関係

年の差フレンドは難しい?私自身の先入観

子供たちが独立し、夫との二人暮らしも随分と板についてきた頃、ふと、自分の人間関係が随分と狭まっていることに気づきました。長年勤めた職場を離れてから、友人といえば同年代か、長くお付き合いのあるご近所の方々ばかり。それはそれで心地よいのですが、どこか閉塞感のようなものも感じていました。

特に若い世代との交流については、「話題が合わないのではないか」「気を遣わせてしまうのではないか」という不安があり、新しいコミュニティに参加するにも一歩踏み出せずにいたのです。年の差のある友達など、私には無縁の世界だと思っておりました。

そんな私の日常に、ある変化が訪れました。それは、スマートフォンとの格闘でした。

デジタルが苦手な私と、ITに強い若い友人との出会い

世の中のデジタル化は待ったなし。自治体からの連絡、お店のクーポン、友人とのやり取りなど、何をするにもスマートフォンが必須になってきました。しかし、私にとってスマートフォンの操作は、まるで外国語のようでした。タップする場所が分からない、文字入力がうまくできない、アプリ?クラウド?もう頭の中はちんぷんかんぷんです。

そんな様子を見かねたのでしょう。共通の知人がいるイベントで顔見知りになった、30歳以上年下のAさんが、さりげなく声をかけてくれたのです。

「何か困っていますか?」「もしよかったら、お手伝いしましょうか?」

最初は遠慮していましたが、あまりにも私が困り果てている様子だったのでしょう。Aさんは嫌な顔一つせず、私のスマホの画面を見ながら、ゆっくりと操作方法を教えてくれました。

例えば、写真の共有方法。以前は印刷して手渡しするか、郵送するしか知らなかったのですが、Aさんはメッセージアプリを使えばあっという間に送れることを教えてくれました。私のつたない質問にも丁寧に答えてくれて、「大丈夫ですよ、すぐに慣れますよ」と優しく励ましてくれたのです。

「困った時はお互い様」助け合いから生まれた絆

その後も、何か困ったことがあるとAさんに連絡するようになりました。役所からのオンライン手続きの方法、キャッシュレス決済の設定、家族とのビデオ通話のやり方など、私の「分からない」リストは尽きることがありませんでした。

Aさんはいつも快く教えてくれます。彼女はITにとても強く、あっという間に私の疑問を解決してくれるのです。その度に私は感謝の気持ちでいっぱいになり、「何かお礼をさせてほしい」と申し出るのですが、彼女は決まってこう言うのです。

「いいえ、大丈夫ですよ。こういうのは得意なので。それに、〇〇さん(私のこと)には、いつも色々なお話を聞いてもらっていますし、美味しいお漬物もいただいているでしょう?困った時はお互い様です」

実は、Aさんは職場の人間関係で悩みを抱えていた時期がありました。そんな時、私は自分の人生経験を踏まえながら、ただ彼女の話に耳を傾けていました。具体的な解決策は提示できませんでしたが、「話を聞いてもらえて、少し心が軽くなりました」と彼女は言ってくれたのです。また、私が趣味で作っている野菜や加工品を、時々お裾分けしていました。

私にとっては当たり前のこと、大したことではないと思っていたことが、Aさんにとっては助けになっていたようです。そして、Aさんにとっては何でもない簡単なスマホ操作が、私にとっては大きな助けになっていたのです。

年齢差を超えて「友人」として支え合う喜び

Aさんと関わる中で、私は年の差をそれほど意識しなくなりました。確かに生活スタイルや興味の対象には違いがあります。流行の音楽や芸能人の話は正直ついていけないこともあります。でも、お互いを尊重し、得意なことや経験を分け合う中で、確かな信頼関係が生まれているのを感じます。

彼女は私のスマホの先生であると同時に、私の人生経験に耳を傾けてくれる大切な友人です。私も彼女の若い感性に触れることで、新しい情報や考え方を知ることができ、世界が広がりました。以前は難しそうだと敬遠していたオンラインでの学びや、SNSを通じた友人との交流にも、少しずつ挑戦できるようになりました。

年の差があるからこそ、無理に背伸びしたり、若ぶったりする必要もありません。お互いの「違い」を面白がり、「苦手」を補い合う。それは、家族とも、長年の同年代の友人とも違う、独特の心地よさがある関係性です。

新しい関係への一歩を踏み出してみませんか

年の差のある友人を作ることは、決して特別なことではありません。私のように、困っている姿を見かねて助けてくれる人がいるかもしれませんし、共通の趣味を通じて自然と仲良くなることもあるでしょう。

もし、あなたが私と同じように、「若い世代との関わり方が分からない」「新しい関係に踏み出せない」と感じているのであれば、あまり難しく考えすぎないでください。年齢や経験は違えど、私たちは皆、誰かに助けられたり、誰かを助けたりしながら生きています。

目の前の人との小さな関わりを大切にしてみてください。それは、困っている誰かに少し手を貸すことかもしれませんし、自分の悩みを正直に打ち明けてみることかもしれません。あるいは、ただ相手の話に耳を傾けることかもしれません。

そこから、年の差を超えた、かけがえのない友情が生まれる可能性があるのです。そしてその友情は、あなたの人生をより豊かで、温かいものにしてくれるはずです。