年の差フレンドのホンネ体験談

若い友人のサポートでできた!60代からのパソコン・オンライン講座挑戦記

Tags: 年の差友情, 学び直し, デジタルスキル, 挑戦, 体験談, オンライン講座

ぽっかり空いた時間と、新しい挑戦へのためらい

子供たちが独立し、夫も無事定年を迎え、少しずつ自分の時間が増えてきました。ふと立ち止まって周りを見渡すと、これまでの生活とは違う景色が見えてくるものです。何か新しいことを始めてみたい、学びたい、そんな漠然とした思いが心の中に芽生えました。

ただ、「今から何かを始めるなんて、もう遅いのではないか」「難しそうだし、私にできるのだろうか」といったためらいや不安も同時に押し寄せました。特に、スマートフォンは何とか使えるようになったものの、いわゆる「パソコン」や「オンライン」の世界は、なんだか遠い存在のように感じていたのです。ニュースでオンライン講座や趣味のコミュニティの話を見聞きしても、「それは若い人たちの世界の話だろう」と、どこか他人事のように思っていました。

そんな私の日常に、年の離れた友人との出会いが、思いがけない変化をもたらしてくれたのです。

地域の集まりで出会った、年の離れた友人

その友人、仮に「由美さん」としましょう。由美さんとは、地域のボランティア活動で知り合いました。私より二回りほど年下の、明るく快活な女性です。活動を通して話す機会が増え、いつしかお互いのこと、日々の出来事などを話すようになりました。世代は違えど、地域を良くしたいという思いは同じで、話しているととても心地よかったのです。

ある日の活動後、由美さんが「最近、オンラインで興味のある講座を受けているんです。すごく勉強になるんですよ」と話してくれました。その時の私は、「オンライン講座か…難しそうね」と、どこか及び腰でした。由美さんは、そんな私の様子を見て、「〇〇さん(私のこと)、パソコンとか、興味ないですか?もしよかったら、使い方とか、お手伝いできますよ」と、さりげなく声をかけてくれたのです。

正直、最初は戸惑いました。若い由美さんに迷惑をかけてしまうのではないか、そもそも私にできるのだろうか、という不安が大きかったからです。しかし、由美さんのまっすぐな、お手伝いしたいという気持ちが伝わってきて、一度挑戦してみようか、という気持ちになったのです。

一緒に乗り越えた「パソコンの壁」

由美さんは、本当に根気強く付き合ってくれました。私が自宅にパソコンは持っていないと話すと、「まずはスマホでできることから試してみましょうか」「区の施設に無料のパソコン教室もありますよ」と、いくつかの選択肢を示してくれました。結局、中古でもいいから自宅にあった方が練習しやすいと考え、由美さんにアドバイスをもらいながら、簡単なノートパソコンを用意するところから始まりました。

初めてパソコンの電源を入れた時、画面に出てくる文字や記号の多さに、早くもくじけそうになりました。しかし、由美さんは「最初はみんなそうです。大丈夫ですよ」と優しく声をかけ、電源の入れ方、マウスの使い方、文字の入力方法など、本当に初歩の初歩から丁寧に教えてくれました。

特に難しかったのが、オンライン講座の申し込みです。ウェブサイトを開き、必要事項を入力し、支払い手続きをする…私にとっては、まるで暗号を解読するような作業でした。由美さんは、私の家のパソコンの画面を共有しながら(これも由美さんが設定してくれました)、一つ一つ操作を説明してくれました。「ここをクリック」「この欄に名前を入れてください」「このボタンを押すと次へ進めますよ」と、まるで横にいてくれているかのように教えてくれたのです。何度か間違えても、「大丈夫、大丈夫」と励ましてくれ、その温かさにどれほど救われたことか分かりません。

由美さんのサポートのおかげで、無事、興味があった歴史に関するオンライン講座に申し込むことができました。そして、初めてオンラインで授業を受けた時の感動は忘れられません。自宅にいながら、遠方の専門家の話を聞くことができるなんて、本当にすごいことだと思いました。

広がる世界と、年の差友情の温かさ

パソコンやオンライン講座に挑戦したことで、私の世界は一気に広がりました。歴史講座だけでなく、他のオンライン講座にも興味を持つようになり、今ではいくつか並行して受講しています。オンラインで同じ講座を受けている仲間と交流する機会もでき、新しい繋がりも生まれました。また、離れて暮らす孫とパソコンを使って顔を見ながら話せるようになったことも、大きな喜びです。以前よりも気軽に連絡を取り合えるようになり、孫の成長をより身近に感じられるようになりました。

由美さんとの友情も、この挑戦を通じてさらに深まったと感じています。私が困っている時は惜しみなく助けてくれ、うまくいった時は自分のことのように喜んでくれました。年の差があるからこそ、お互いの得意なこと、苦手なことが明確で、自然と助け合いの関係になれたのかもしれません。由美さんが教えてくれる今の時代の便利なツールや考え方は新鮮で、私の凝り固まった頭を柔らかくしてくれます。私も、これまでの人生経験から得た知識や知恵を、由美さんに話すことがあります。お互いに学び合っている、そんな関係性がとても心地よいのです。

いくつになっても、新しい一歩は踏み出せる

「もう歳だから」と諦めかけていたパソコンやオンラインの世界。しかし、年の離れた友人の温かいサポートと、「やってみましょう」という言葉に背中を押され、新しい一歩を踏み出すことができました。

もし、あなたも「何か新しいことを始めたいけれど、どうしたら良いか分からない」「年の離れた人との関わりに少しハードルを感じる」と思っているなら、ほんの小さなことでも良いので、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。もしかしたら、あなたのすぐそばに、新しい世界への扉を開けてくれる人がいるかもしれません。

年齢を気にせず、自分の心に正直に、ワクワクすることに挑戦してみる。そして、年の差を超えて心を通わせられる友人を見つける。そうすることで、日々の暮らしはより豊かに、彩り豊かなものになるのだと、私は身をもって感じています。