年の差フレンドのホンネ体験談

お節介かな?と思ったけれど 年の差友人の悩みに寄り添って見えた私の新しい役割

Tags: 年の差友情, 悩み相談, 新しい役割, 共感, 体験談

子供たちがそれぞれ独立し、家に一人でいる時間が増えました。これまでの子育てや家事に追われる日々から解放され、少し寂しさを感じることもありました。社会とのつながりが薄れたように感じ、自分の役割がなくなったような気持ちになることもありました。そんな時、地域の活動を通じて年の差のある友人が何人かできたことは、私の日々に彩りを与えてくれました。

年の差の友人との交流は、初めは少し戸惑うこともありました。話題の選び方や言葉遣いなど、気を使う場面もありましたが、皆さんが私の話を興味深く聞いてくださったり、私が知らない世界を教えてくださったりと、発見の連続で楽しい時間でした。

若い友人からの思わぬ相談

その中のSさん(30代)とは、地域のボランティア活動で知り合いました。いつも明るくテキパキとしたSさんでしたが、ある日、活動終わりに少し元気がない様子でした。声をかけてみると、仕事での人間関係に悩んでいるとのこと。話を聞いてほしいと頼まれました。

少し驚きました。私なんかの経験が、若いSさんの役に立つだろうか。「お節介だと思われたらどうしよう」「古い考え方を押し付けてしまわないだろうか」そんな不安が頭をよぎりました。子供たちの悩みには耳を傾けてきましたが、年の差のある友人からの相談は初めてだったからです。

意識したのは「聞くこと」と「共感」

カフェでお茶をしながら、Sさんは今の状況や辛い気持ちを話してくれました。私はただ、黙って耳を傾けることに徹しました。アドバイスをするよりも、まずはSさんの感情に寄り添うことが大切だと感じたからです。時折、「それは大変でしたね」「辛かったですね」と相槌を打ち、共感する気持ちを伝えました。

Sさんの話を聞いているうちに、私のこれまでの人生経験の中で似たような状況があったことを思い出しました。職場で意見の対立があったこと、人間関係で悩んだこと。そういった経験から学んだこと、どのように乗り越えてきたかを、私の視点から静かに話しました。一方的な解決策を提示するのではなく、「私はこんな風に考えて乗り越えたことがありましたよ」という一つの例としてお伝えしました。

人生経験が新しい形で役に立つ喜び

Sさんは私の話を聞いて、少し安心した様子でした。「経験したことのある方に話を聞いてもらえるだけで、気持ちが楽になります」と言ってくれました。具体的な解決策が見つかったわけではないかもしれませんが、誰かに話を聞いてもらい、共感してもらえることが、どれだけ心強いことか、私自身も改めて感じました。

この経験を通じて、私は新しい気づきを得ました。これまでの私の人生経験、特に人間関係における様々な経験は、単に過ぎ去った過去ではなく、若い世代の方たちの助けになる可能性を秘めているのだということです。「お節介かも」という心配は杞憂でした。大切なのは、相手を思いやり、耳を傾けること、そして自分の経験を無理に押し付けるのではなく、必要な時にそっと手渡すことなのだと感じました。

「お互いさま」で広がる関係性

Sさんとの関係は、この出来事を通じてさらに深まりました。後日、Sさんからは今の若い世代の働き方や、私がよく分からなかったスマートフォンの機能について教えてもらうなど、私の方が助けられることも増えました。「お互いさま」の関係性が自然と築かれているのを感じます。

子供が独立して感じていた「役割の喪失感」は、年の差の友人との交流によって薄れていきました。人生経験を重ねた自分だからこそできることがある、それが誰かの支えになることがある。そして、若い世代から学ぶこともたくさんある。年の差の友情は、私に新しい視点と、社会との新しいつながり、そして自分自身の新しい役割を与えてくれました。

年齢を理由に新しい関係に踏み出すことをためらっている方がいらっしゃるなら、ほんの小さな一歩でも良いので、興味のあるコミュニティに顔を出してみることをお勧めします。そこには、年齢を気にせず心を通わせられる、素敵な出会いが待っているかもしれません。