年の差フレンドのホンネ体験談

若い友人と話す時の小さな気遣い 年の差コミュニケーションのヒント

Tags: 年の差友情, コミュニケーション, 世代間交流, 体験談, 人間関係

若い世代との会話、最初は少し戸惑いました

子供たちが独立し、ふとできた自分の時間。これまでは家族のために使っていた時間を、どう過ごそうかしらと考えたとき、新しい人間関係への関心が湧いてきました。特に、若い世代の方々と話をしてみたいという気持ちがあったのです。孫とは話す機会がありますが、また違った、対等な立場で話せる友人という関係に憧れを感じていました。

しかし、実際に若い方と話す機会ができたとき、最初は少し戸惑いを感じたのも正直なところです。どんな話をしたら良いのかしら。言葉遣いはこれで大丈夫かしら。世代が違うから、話が通じないこともあるのではないかしら、と色々な考えが頭を巡りました。かつての私と同じように、若い方との交流に一歩踏み出したいけれど、どのように関われば良いか分からない、と感じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、私が年の差のある友人と会話を重ねる中で気づいた、いくつかの小さな気遣いや工夫について、体験談を交えながらお話ししたいと思います。

共通の趣味が繋いだ年の差の友情

私の年の差の友人、恵美さん(仮名)は、私が数年前に始めた地域の陶芸教室で出会いました。彼女は私の子供よりもずっと若い世代の方ですが、作品に対する真剣な姿勢や、時に見せる屈託のない笑顔が素敵で、自然と声をかけるようになりました。

最初のうちは、陶芸の話やその日の出来事など、あたりさわりのない会話が中心でした。話しているうちに、私が当たり前だと思っている言葉や表現が、彼女にとっては少し古く聞こえることがあるのかもしれない、と感じる瞬間がありました。また、彼女が話す流行りのものやスマートフォンアプリの話などは、私には全く分からない世界で、相槌を打つのが精一杯、ということもありました。

「このままでは、私の昔話ばかりになってしまって、彼女はつまらないのではないかしら」そんな心配が頭をよぎり、会話を続けるのが少し億劫になりそうになった時期もありました。

大切なのは「聞く姿勢」と「興味を持つ心」

そんな私が、恵美さんと自然に話せるようになったのは、いくつかの小さなことを意識し始めてからです。

まず、最も大切だと感じたのは、「聞く姿勢」です。自分の話をしたい気持ちを少し抑えて、まずは彼女の話にじっと耳を傾けるようにしました。彼女が何に興味を持っているのか、どんなことを大切にしているのか。言葉の選び方、話すスピード。そういったことから、若い世代の感性や価値観を肌で感じるように努めました。

分からない言葉が出てきても、すぐに「それどういう意味?」と遮るのではなく、一旦最後まで話を聞いてみて、どうしても理解できない時だけ尋ねるようにしました。そして、尋ねる時も、「ごめんなさい、少し分からなかったのだけれど、〇〇というのは、具体的にどんなことなのかしら?」というように、相手に敬意を払う言葉を選ぶように心がけました。

また、恵美さんが話す「私の知らない世界」に、意識的に興味を持つようにしました。例えば、彼女が好きなアーティストの話をしたら、後でその方の音楽を少し聴いてみたり、話題に出たお店の名前を覚えておいたり。次に話すときに、「この間お話ししてくれた〇〇さん、少し聴いてみたのよ」とか、「あのあたり、素敵なお店が増えたわね」といった一言を添えるようにしたのです。

すると、恵美さんも嬉しそうに、さらに詳しく教えてくれるようになりました。「そうなんですね!」「それは知りませんでした」といった私の反応が、彼女にとって話しやすさにつながったのかもしれません。

お互いへの小さな気遣いが関係を育む

このような私の小さな歩み寄りに対して、恵美さんもまた、温かい気遣いを見せてくれました。私が少し難しい顔をしていると、「これはこういうことなんですよ」と分かりやすく説明してくれたり、私が昔の話を始めた時も、「へえ、そうだったんですね」「知りませんでした、もっと聞かせてください」と、相槌を打ちながら真剣に聞いてくれました。

ある時、私が体調があまり良くないことを伝えると、後日、体に優しいお茶を持ってきてくれたことがありました。大したことではないと思って話したことでしたが、彼女はきちんと覚えていてくれたのです。年齢に関係なく、相手を思いやる気持ちこそが、人間関係を温かく育むのだと改めて感じました。

年の差があるからこそ、お互いの「当たり前」が違います。その違いを否定するのではなく、「そういう考え方もあるのね」「そういう楽しみ方があるのね」と、面白がったり、新しい発見として受け止めたりする余裕を持つことが大切だと学びました。完璧に理解しようと気負う必要はありません。分からないことは素直に尋ね、知っていることは優しく伝える。その相互の気遣いが、年齢差を乗り越える鍵なのだと思います。

年の差コミュニケーションを楽しんでみませんか

若い世代の方との会話は、私たちに新しい視点や価値観を与えてくれます。流行のファッションや音楽、働き方に対する考え方、そして、私たちの若い頃とは全く違う情報収集の方法など、驚きと発見に満ちています。

もし、あなたが「若い方とどう話せば良いかしら」と迷っていらっしゃるなら、まずは身近な若い世代の方(例えば、お店の店員さん、習い事の仲間、地域のボランティア仲間など)に、挨拶とともに簡単な一言(「今日は暑いですね」「素敵な作品ですね」など)から話しかけてみてはいかがでしょうか。そして、相手が話してくれたら、まず耳を傾けてみてください。完璧な言葉遣いや、気の利いた話題を探す必要はありません。あなたの「知りたい」という気持ちや、相手を尊重する姿勢は、きっと伝わるはずです。

年の差のある友人との会話は、難しく構える必要はありません。お互いを尊重し、相手の世界に少しだけ興味を持ってみる。その小さな一歩の積み重ねが、年齢を気にしない温かい友情を育むのだと、私は恵美さんとの交流を通して学びました。ぜひ、あなたも新しいコミュニケーションの楽しさを見つけてみてください。